「監修医の名前は入れているのに、なぜか検索順位が上がらない」——そう感じているクリニック・薬局の広報担当は少なくありません。医療サイトはGoogleが定めるYMYL(Your Money or Your Life)領域の中でも特に厳格な評価が適用される分野で、E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)を満たす監修体制と運営情報の開示が評価の前提条件になります。本記事では、医療サイトのE-E-A-T対策として実際に書くべき監修者・運営者情報の項目と、着手の優先順位を整理します。
まず押さえるべき要点は3つです。
- 医療サイトはYMYL最上位リスク枠に分類される:健康・お金・安全に関わる情報を扱うYMYL領域の中でも、診断・治療・服薬に関する記述は特に厳しく評価されます。
- 監修者情報は「誰が・どんな資格で・どう関与したか」まで明記する:氏名だけの記載では不十分で、資格・所属・関与範囲まで示す必要があります。
- 運営者情報と一次情報へのリンクが信頼性の裏付けになる:会社概要・所在地・出典の明示が、記事単体の信頼性を補強します。
E-E-A-Tとは何か|Googleが医療サイトに求める4つの評価軸
E-E-A-Tとは、Experience(経験)・Expertise(専門性)・Authoritativeness(権威性)・Trustworthiness(信頼性)の頭文字を取った評価概念です。Googleの検索品質評価ガイドラインで示されている考え方で、コンテンツそのものの質に加えて「誰が・どんな立場で発信しているか」を重視する点が特徴です。医療サイトでは特にTrustworthiness(信頼性)が評価の土台に位置づけられており、監修者情報や運営者情報の開示状況が直接的に関わってきます。
医療サイトがYMYL最上位リスク枠に分類される理由
YMYLとは、読者の健康・資産・安全に重大な影響を与えうる情報領域を指すGoogleの分類概念です。診療科の解説、症状の説明、薬の効能に関する記述はいずれもこの領域に含まれ、誤った情報が実害につながりやすいことから、他ジャンルよりも厳格な評価基準が適用されます。判断基準として、記事内に「診断」「治療」「服薬」「費用」のいずれかに関わる記述があるかどうかを確認し、該当する場合は監修体制の強化を優先する順で対応するとよいでしょう。
監修者情報に必須の記載項目【一覧表】
監修者情報は氏名の掲載だけでは不十分です。以下の項目を揃えることで、読者と検索エンジンの双方に対して関与の実態を示せます。
| 項目 | 記載内容の目安 | 省略した場合のリスク |
|---|---|---|
| 氏名・肩書 | 医師・薬剤師等の正式な資格名を併記 | 専門性が伝わらない |
| 保有資格・専門領域 | 診療科、専門医資格の有無 | 権威性の裏付けが弱くなる |
| 所属機関 | 勤務先クリニック・薬局名 | 実在性の確認が取りづらい |
| 関与範囲 | 執筆/監修/確認のいずれか | 責任の所在が不明確になる |
| プロフィールページへのリンク | 詳細経歴を確認できる導線 | 一次情報にたどれない |
やりがちな失敗は、監修者名を記事末尾に一行だけ添えて終わらせてしまうことです。関与範囲(執筆したのか、確認だけしたのか)まで書かないと、実質的な監修になっていないと判断されるおそれがあります。
運営者情報・免責事項の書き方とチェックリスト
運営者情報は会社概要ページに集約するだけでなく、記事側からも確認できるようにしておく必要があります。以下をチェックリストとして活用してください。
- 運営法人名・所在地・連絡先が明記されているか
- 医療機関の場合、開設者・管理者の氏名が確認できるか
- 情報の更新日・最終確認日が記事ごとに表示されているか
- 「本記事は診断・治療を保証するものではない」旨の免責事項があるか
- 一次情報(学会ガイドライン、厚生労働省資料等)への出典リンクがあるか
このうち更新日の表示は見落とされがちです。医療情報は古くなると誤情報化するリスクがあるため、公開日と別に更新日を併記する運用をおすすめします。
E-E-A-T強化の優先順位と実務手順(着手順)
限られたリソースでE-E-A-Tを強化する場合、次の順番で着手すると効率的です。手順として、まず①既存記事のうちアクセス数が多い・YMYL度が高い記事から監修者情報を追加し、②次に運営者情報ページを整備、③最後に出典・免責事項を全記事へ横展開する、という流れが一般的です。目安として、記事数が50本前後の医療サイトであれば、優先度の高い上位20%の記事だけでも監修体制を整えることで、全体の信頼性評価に一定の改善が見込めるケースが多いとされています。全記事への一斉対応にこだわらず、リスクの高い記事から着手する方が現実的です。
やりがちな失敗と回避策
医療サイトのE-E-A-T対策でよく見られる失敗は、監修者情報を「飾り」として設置し、実際のコンテンツ制作フローに組み込んでいないことです。監修者が公開前チェックに関与していない状態では、表面的な体裁を整えても信頼性の実態が伴いません。回避策としては、記事公開フローの中に「監修者による確認」を必須ステップとして組み込み、確認日をログとして残しておく運用が有効です。また、監修者を頻繁に交代させると過去記事との整合性が取りづらくなるため、監修体制はできるだけ継続性を持たせることをおすすめします。
よくある質問
Q. 監修者は必ず医師でなければなりませんか? A. 扱う情報が医療行為に直結する場合は医師の監修が望ましいですが、薬局サイトであれば薬剤師、一般的な症状解説であれば有資格者の関与で足りる場合もあります。コンテンツの内容とリスクの大きさに応じて監修者の資格を判断することをおすすめします。
Q. 監修者情報がないと検索順位に必ず影響しますか? A. 監修者情報の有無だけで順位が決まるわけではありませんが、YMYL領域では信頼性を裏付ける材料が不足すると評価が下がりやすい傾向があります。競合サイトの多くが監修体制を明示している分野では、相対的に不利になるおそれがあります。
Q. 運営者情報は会社概要ページだけで十分ですか? A. 会社概要ページへの掲載は最低限の対応であり、各記事の末尾や監修者プロフィール欄からもたどれるようにしておくと利用者・検索エンジンの双方にとって確認しやすくなります。導線を複数持たせることをおすすめします。
自院サイトの監修者情報・運営者情報がE-E-A-Tの基準を満たしているか自己判断が難しい場合は、まず無料の自己診断シートでチェック項目を洗い出してみてください。より詳しい改善手順を体系立てて確認したい場合は、資料をダウンロードして社内での対応優先順位の検討にお役立てください。