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クリニック集患KPIツリーの作り方|新患数だけで判断しない指標設計

「新患数は先月より増えているのに、広告費が見合っているのか分からない」「毎月の会議で新患数の増減だけを報告して終わっている」——このような状態に心当たりのある院長・広報担当は少なくありません。新患数は集患活動の最終結果を示す指標であり、その手前にある反応数・予約成立率といった中間指標を追わない限り、増減の原因を特定することはできません。集患KPIは、新患数を頂点に来院経路ごとの中間指標をツリー状に分解し、月次でどこが詰まっているかを特定する仕組みとして設計する必要があります。

まず押さえるべき要点は3つです。

  1. 新患数は結果指標であり、原因は経路ごとの中間指標にある。新患数だけを見ていると、MEOの表示回数が落ちているのか、Web予約フォームの離脱が増えているのか、紹介が減っているのかを区別できません。
  2. KPIツリーは来院経路ごとに分けて作る。MEO・リスティング広告・紹介・ホームページ経由など、経路によって効く施策も見るべき数字も異なるため、一つの指標で束ねると打ち手を誤ります。
  3. 月次で見るのは絶対値ではなく変化と歩留まり(次の段階に進んだ割合)。件数の増減だけでなく、認知から反応、反応から予約、予約から来院への歩留まりを時系列で比較することが、改善点の発見につながります。

集患KPIとは何か、なぜ新患数だけでは足りないのか

集患KPIとは、患者が自院を認知してから来院に至るまでの各段階を数値化し、経営判断に使う指標群のことです。新患数という単一の指標は、この一連のプロセスの最終出力にすぎません。途中で何が起きているかを知るには、来院経路ごとの認知・反応・予約・来院という4段階を分けて追う必要があります。この考え方は来院経路分析の発想と共通しており、KPIツリーは来院経路分析を数値管理の形に落とし込んだものと捉えると理解しやすくなります。

集患KPIツリーの作り方:4階層で分解する

KPIツリーは、次の4階層で経路ごとに数字を分解します。

  • 認知:検索表示回数、GBP(Googleビジネスプロフィール)の表示回数、広告インプレッション数など
  • 反応:電話件数、Web予約フォームへの遷移数、クリック数など
  • 予約:予約完了数、予約成立率(反応数に対する予約完了の割合)
  • 来院:予約に対する実来院数、キャンセル率

このツリーを診療科ごと・経路ごとに作ると、どの段階で歩留まりが落ちているかが可視化されます。例えば予約完了数は前月並みでも実来院数が落ちているなら、リマインド運用や電話対応など予約後のフォローに問題がある可能性が高いと考えられます。

経路別に見るKPIの具体例

経路によって追うべき数字は異なります。院内で表を作り、毎月同じフォーマットで数値を埋めていく運用が実務上は続けやすい方法です。

経路認知指標反応指標予約・来院指標
MEO・口コミ検索表示回数、検索順位電話タップ数、ルート検索数Web予約数、実来院数
リスティング広告インプレッション数クリック数、CTRフォーム完了数、予約成立率
紹介紹介件数(受付ヒアリング)紹介経由の実来院数
ホームページ・SEO流入セッション数滞在時間、予約ボタンクリック数予約完了数

数値の取得方法や具体的な確認手順に迷う場合は、来院経路分析のやり方で受付ヒアリングを含めた実務手順を扱っているため、あわせて確認すると設計の抜け漏れを減らせます。

月次レビューで見るべき数字と頻度

月次レビューでは、絶対値の増減だけでなく歩留まり(前段階に対する次段階の到達率)の変化を見ることが重要です。歩留まりが前月から大きく下がった段階があれば、そこに施策上の問題が起きている可能性が高いと判断できます。広告費を投じている経路については、費用に対してどこまで新患獲得につながっているかという視点も欠かせません。この点は費用対効果の考え方CV定義の設計と合わせて確認すると、予約ボタンのクリックだけをCVと誤って追ってしまう失敗を避けやすくなります。

よくある失敗とKPI設計の落とし穴

KPI設計でよく見られる失敗は、経路を分けずに「今月の新患数」だけを会議で共有して終わることです。紹介や再来は多いのに新患だけが伸び悩んでいるケースでは、経路別に分解して初めて原因が見えてくることが多く、この典型パターンは新患だけ増えない原因で扱っています。また、指標の項目を毎月変えてしまうと前月比較ができなくなるため、一度決めたツリーの型は最低でも半年程度は固定して運用することをおすすめします。

よくある質問

Q. 集患KPIはどのくらいの頻度で見直すべきですか。 A. 月次でのレビューが基本ですが、広告出稿を伴う施策は週次で反応指標だけ確認する運用も有効です。ただしKPIツリー自体の構成見直しは、診療科構成やスタッフ体制が変わったタイミングで行う程度で十分なことが多く、頻繁に指標項目自体を変えると比較ができなくなるおそれがあります。

Q. 新患数以外にまず追うべき指標は何ですか。 A. 来院経路ごとの反応数(電話・Web予約フォーム完了数など)と予約成立率が優先度の高い指標とされています。新患数は複数の中間指標の掛け算の結果であるため、まずどの経路の反応数が伸びていないかを月次で確認することが、原因特定の起点になりやすいと考えられます。

Q. KPIツリーを作る際、外部の代理店やコンサルに依頼すべきですか。 A. 院内に集患担当者がいない場合は外部の知見を借りる選択肢もありますが、来院経路や診療科構成の実情を最もよく把握しているのは院内側です。まず院内で仮のツリーを作り、数値が取れない箇所や解釈に迷う箇所だけを外部に相談する進め方が、丸投げを避ける上で無難だと考えられます。


自院のKPIツリーをどこから手をつければよいか迷う場合は、来院経路の整理から始めるのが近道です。集患施策の優先順位を整理したチェックリストはこちらの資料からご確認いただけます。また、自院の現状を経路別に整理したい場合は、無料診断で現状のギャップを可視化することも可能です。

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