採用

薬剤師採用が難しい地域で応募数を増やす求人票の組み立て方と媒体選び

薬剤師の求人を出しても応募がゼロ、あるいは面接の前に辞退されてしまう——地方や郊外で薬局を経営している院長・法人担当者からよく聞く悩みです。結論から言えば、採用が難しいとされる地域でも、求人コンセプトの設計と媒体の組み合わせ、求人票の訴求内容を見直すことで応募数の改善が期待できます。給与を大幅に上げられなくても、着手できる打ち手は複数あります。

まず押さえるべき要点は3つです。

  1. 求人を出す前に「誰に来てほしいか」を言語化する:条件面だけを並べた求人票では、他薬局との違いが伝わりません。
  2. 媒体は1つに絞らず、特性で使い分ける:地域や求める人材像によって、有効な媒体の組み合わせは変わります。
  3. 給与以外の訴求材料を求人票に具体的に書く:勤務条件・働き方・職場環境の情報量が応募の判断材料になります。

「薬剤師採用が難しい地域」とは何か

薬剤師採用が難しい地域とは、近隣の調剤薬局数に対して薬剤師の絶対数が不足しており、求人を出しても応募が集まりにくい地域を指します。判断の目安としては、以下のような状況が重なっている場合に難易度が高いと見てよいでしょう。

  • 最寄り駅やバス停から徒歩10分以上かかる、公共交通の便が悪い立地である
  • 半径2〜3km圏内に同時期に薬剤師を募集している薬局が複数ある
  • 過去の求人で、掲載から1ヶ月以上応募がない、または内定辞退が続いている

こうした地域では、求人票の見た目や条件を小手先で変えるより先に、採用コンセプトを見直す方が効果的なことが多いです。

求人票を作る前に「採用コンセプト」を決める

求人票の訴求内容を考える前に、以下の手順で採用コンセプトを言語化しておくと、媒体選定や文言のブレを防げます。

  1. 求める人材像を具体化する(ブランクありでも可か、経験年数、在宅対応の可否など)
  2. 自院が提供できる働き方の特徴を3つ以内に絞る(時短勤務可、日祝休み、車通勤可など)
  3. 同エリアの競合薬局の求人を2〜3件確認し、条件面で明らかに劣る部分がないか確認する
  4. 上記を踏まえて、求人票の見出しとリード文を先に決める

この手順を飛ばして条件を並べただけの求人票を出すと、応募者から見て他薬局との違いが分からず、比較検討の土台にすら乗らない、という失敗が起きがちです。

媒体選定:地方・郊外で応募を集めやすい組み合わせ

薬剤師採用の媒体は、掲載型・紹介型・スカウト型・無料枠に大別できます。地域の難易度に応じて、以下のように組み合わせを検討すると良いでしょう。

状況主軸にしたい媒体補助的に使う媒体
応募実績がほとんどない新規開業掲載型(ジョブメドレー等)自院サイト・GBPの求人情報
過去に応募はあるが定着しない紹介型掲載型で並行募集
短期・急募で即戦力が必要紹介型・派遣スカウト型で母集団形成
コストを抑えて長期的に募集したい無料枠(ハローワーク等)掲載型を低予算プランで併用

媒体ごとの向き不向きは薬剤師求人媒体の比較記事で詳しく整理しています。また、複数の媒体を組み合わせる際の考え方は医療機関の求人媒体運用の記事も参考になります。コストをかけずにまず試したい場合は、薬剤師求人を無料で出す方法から着手する薬局も少なくありません。

求人票の訴求内容:給与を上げる以外にできること

給与や時給を大幅に引き上げることが難しい薬局でも、求人票に具体的に書き込める訴求材料は複数あります。以下は求人票を作成する際のチェックリストです。

  • 勤務時間の融通(時短勤務、週3日〜可など)が明記されているか
  • 車通勤の可否と駐車場の有無が書かれているか
  • 有給消化率や残業時間の目安など、働き方が具体的にイメージできる情報があるか
  • 研修体制や資格取得支援の有無が書かれているか
  • 職場の人数構成や年齢層など、雰囲気が伝わる情報があるか

これらは薬局の人手不足対策の記事でも触れていますが、「条件を書く」だけでなく「働くイメージが湧く情報を書く」ことが応募につながりやすいポイントです。抽象的な「アットホームな職場です」といった表現だけで終わらせず、具体的な数字や制度名で示すことをおすすめします。

採用コストの考え方と、やりがちな失敗

採用が難しい地域では、焦って紹介会社に依頼し、結果的に採用コストが大きく膨らむケースが見られます。紹介会社の手数料は理論年収の30%前後になることもあり、掲載型媒体と比べて1人あたりのコストが大きく変わる点は把握しておいた方が良いでしょう。手数料の相場感は薬剤師紹介会社の手数料相場、派遣を検討する場合の費用感は薬剤師派遣の料金相場にまとめています。1人あたりの採用コストを内訳で把握したい場合は薬剤師の採用コストの計算方法も参照してください。

やりがちな失敗として、内定を出した後のフォローを怠り、入職前に辞退されてしまうケースがあります。内定から入職までの間に一度面談の機会を設ける、職場見学を案内するなど、入職前のコミュニケーションを増やすことで辞退を防げる可能性があります。

よくある質問

Q. 求人票を出してから応募が来るまで、どれくらいの期間を見ればよいですか。 A. 媒体や地域、時期によって差がありますが、掲載開始から初回応募までに数週間かかることも珍しくないとされています。反応が薄い場合は、掲載から2〜3週間を目安に訴求内容や写真、キャッチコピーの見直しを検討すると良いでしょう。

Q. 給与を上げられない場合、他にどんな訴求ができますか。 A. 勤務時間の融通、車通勤の可否、研修体制、有給の取りやすさ、残業の少なさなど、給与以外にも訴求できる要素は複数あります。求職者が比較検討する際に気にする項目を求人票に具体的な記述として盛り込むことで、給与差を補える可能性があります。

Q. 採用が難しい地域では、紹介会社に頼るしかないのでしょうか。 A. 紹介会社は即戦力を短期間で確保しやすい手段ですが、手数料負担が大きくなる傾向があります。掲載型媒体や無料枠、自院サイトでの募集と組み合わせ、状況に応じて使い分けることで、採用コスト全体を抑えられる場合があります。


求人コンセプトの決め方や媒体選定の判断軸をもう少し体系的に整理したい場合は、資料のダウンロードからご確認いただけます。自院の採用状況を踏まえて何から着手すべきか相談したい場合は、診断から現状を整理することも可能です。

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