「星1つの口コミがついたが、事実と違う内容が書かれている」「削除を依頼したいが、そもそも消せるものなのか分からない」——こうした相談は、クリニックや薬局の広報担当から日常的に寄せられます。結論から言うと、Googleの口コミは院長の判断だけで自由に削除できるものではなく、Googleが定めるポリシーに違反する内容だけが報告によって削除される可能性があるという構造になっています。まずは「消せる口コミ」と「消せない口コミ」を見分けることが、無駄な対応工数を減らす第一歩です。
まず押さえるべき要点は3つです。
- 削除できるのは「規約違反」に該当する口コミだけ:低評価や不満の表明そのものは削除理由になりません。
- 削除依頼は口コミへの「返信」ではなく「報告」機能から行います:手順を誤ると審査に進みません。
- 報告が通らなかった口コミには、返信で対応する運用をあらかじめ用意しておきます:削除待ちのまま放置しないための備えです。
Googleの口コミ削除依頼とは
Googleの口コミ削除依頼とは、自院に投稿された口コミのうちGoogleの利用規約やコンテンツポリシーに違反する内容について、Googleに対して審査・削除を求める報告機能を使うことです。院長やスタッフが「気に入らないから消す」といった形で任意に削除できる仕組みではなく、あくまでGoogle側の審査を経て削除の可否が判断される点が前提になります。この前提を院内で共有しておかないと、「依頼したのに消えない」という不満が広報担当に集中しやすくなります。
削除できる口コミの条件
削除対象になり得るのは、内容が事実かどうかではなく、Googleが定める違反類型に当てはまるかどうかです。判断の目安を整理すると次のようになります。
| 違反類型 | 具体例 | 削除される可能性 |
|---|---|---|
| なりすまし・虚偽 | 来院していない人物による投稿、競合や元従業員による嫌がらせ投稿 | あり得る |
| スパム・宣伝目的 | 診療内容と無関係な宣伝リンク、繰り返し投稿 | あり得る |
| 個人攻撃・ヘイトスピーチ | 差別的表現、脅迫的な文言 | あり得る |
| 個人情報の記載 | 他の患者や職員を特定できる情報の掲載 | あり得る |
| 単なる低評価・不満 | 「対応が悪かった」「待ち時間が長い」等の主観的評価 | 対象になりにくい |
| 事実に基づく批判 | 実際にあった出来事への言及 | 対象になりにくい |
低評価であっても、投稿者の主観的な体験として書かれている限りは違反に該当しにくく、削除依頼を出しても却下される可能性が高い点は院内で共有しておく必要があります。
Googleへの口コミ削除依頼(報告)の手順
報告は次の流れで行います。Googleビジネスプロフィールのオーナーアカウントとしてログインしていることが前提になるため、未対応の場合は先にオーナー確認の設定手順を済ませておく必要があります。
- Googleビジネスプロフィールの管理画面から対象の口コミを開きます。
- 口コミ右上の「︙(縦の三点リーダー)」から「不適切なコンテンツとして報告」を選択します。
- 該当する違反理由(なりすまし、スパム、ヘイトスピーチ等)を選び、報告を送信します。
- Google側の審査を待ちます。反映までの期間はケースによって幅があり、一律の日数は保証されていません。
- 一定期間経っても反映されない場合は、Googleビジネスプロフィールのヘルプから再度問い合わせを行います。
報告時は感情的な文言を避け、「なぜ違反に該当するか」を具体的に記載すると審査側に伝わりやすくなります。この報告フローは口コミ運用全体の一部にすぎないため、基本情報の整備や投稿更新と合わせてGBP運用の全体像を院内で確認しておくと、対応が場当たりになりにくくなります。
削除依頼が通らなかったときの対応
規約違反に該当しないと判断され、口コミが削除されないケースは珍しくありません。この場合、削除を待ち続けるよりも、返信で対応する方が現実的な選択になります。返信では事実関係を淡々と示しつつ、個別の診療内容や患者情報には触れない配慮が必要です。具体的な文面の型は低評価口コミへの返信例文で守秘義務を踏まえた書き方を確認できます。削除依頼と返信対応は「どちらか一方」ではなく、報告してから結果を待つ間も放置せず返信しておく、という併用の運用が実務では一般的です。
口コミ対応を仕組み化する
口コミへの削除依頼や返信を院長がその都度個別に判断していると、対応が遅れたり、忙しい時期に見落としが発生したりしやすくなります。担当者を決め、週1回程度の頻度で新着口コミを確認するルールを設けるだけでも抜け漏れは減らせます。また、口コミの件数や星評価はローカル検索での見られ方に影響する要素の一つとされており、削除依頼だけに気を取られて他の運用が止まらないよう注意が必要です。順位が伸び悩んでいる場合は、口コミ以外の要因が絡んでいることも多く、MEOで評価される要素と改善の優先順位を合わせて確認しておくと、対応の抜け漏れに気づきやすくなります。
よくある質問
Q. 低評価をつけられただけでも削除依頼はできますか? A. 星評価が低いだけ、あるいは診療内容への不満が書かれているだけでは、削除対象にはなりにくい傾向があります。まずは内容が利用規約違反の類型に当てはまるかどうかを確認することをおすすめします。
Q. 削除依頼を出してから反映されるまでどのくらいかかりますか? A. 審査期間はケースにより幅があり、数日で反映される場合もあれば、数週間以上かかる、あるいは結論が変わらない場合もあります。進捗を院内で記録しつつ、必要に応じて再申請を検討する運用にしておくと安心です。
Q. 元患者ではない第三者からの口コミも削除できますか? A. 投稿者が実際の来院者でないことが明らかで、事実と異なる内容が含まれる場合はなりすましとして報告対象になり得ます。ただし来院の事実確認は難しいことも多く、削除が認められるとは限らない点は踏まえておく必要があります。
口コミ対応を含めたMEO運用のチェックリストはこちらの資料からダウンロードできます。自院のGoogleビジネスプロフィールが現状どこまで整っているかを確認したい場合は、無料診断から現状把握を始めてみてください。