「口コミには返信しているのに、Googleビジネスプロフィール(GBP)の『質問と回答』は見ていなかった」という院長・広報担当は少なくありません。この機能は誰でも質問を投稿でき、回答も一般ユーザーが自由に書き込める仕組みのため、放置すると誤った情報が最上位に固定されたまま来院希望者の目に触れ続けるおそれがあります。結論として、よくある質問は自院で先回り投稿し、誤情報には削除依頼に頼りきらず訂正情報を追加する運用に切り替えることが実務上のポイントです。
まず押さえるべき要点は3つです。
- 質問と回答は「誰でも書き込める掲示板」だと理解する:事業者だけが管理できる項目ではなく、一般ユーザーの回答がそのまま表示される仕組みです。
- よくある質問は事業者側から先回りして投稿・回答する:空欄のまま放置すると、不正確な回答が最初に定着するリスクが高まります。
- 誤情報は削除依頼より訂正投稿を基本線にする:削除は承認されないことも多く、正しい情報を追加する対応の方が現実的です。
「質問と回答」とは
Googleビジネスプロフィールの「質問と回答」とは、マップやビジネスプロフィール画面上でユーザーが施設に関する質問を投稿し、事業者を含む誰でもそれに回答できる機能です。口コミとは別枠で表示され、診療時間や駐車場の有無、予約方法など、来院前に確認したい実務的な内容が投稿されやすい傾向があります。回答は投稿日時が新しい順や「役に立った」の評価順で並び替わるため、正確な回答であっても目立つ位置に表示されるとは限らない点に注意が必要です。
放置するとなぜリスクになるのか
質問と回答を放置した場合に起こりやすい問題は、大きく2つに分けられます。
- 誤情報が最上位に固定される:一般ユーザーや過去の来院者が善意で回答した内容に、診療時間の勘違いや自由診療の価格に関する不正確な情報が含まれることがあります。
- 未回答の質問が来院障壁になる:「オンライン診療は対応していますか」「駐車場は何台分ありますか」といった質問が無回答のまま放置されると、回答を待たずに他院を検索されるおそれがあります。
特に医療機関の場合、自由診療の効果や料金に関する誤った回答が第三者から投稿されると、医療広告ガイドラインの観点でも望ましくない表現が自院の管理外で表示され続けることになります。定期的な確認体制がないと、こうした状態に気づくタイミング自体が遅れがちです。
よくある質問を自院で先回り投稿する手順
放置を防ぐ最も実務的な方法は、事業者側から「よくある質問」をあらかじめ質問と回答の欄に投稿し、自ら回答しておくことです。手順は次のとおりです。
- 受付やスタッフが日常的に受ける質問を、直近1〜2ヶ月分洗い出す(診療時間・予約方法・駐車場・保険適用の可否など)。
- 洗い出した質問のうち、来院検討者が検索前に知りたい内容を3〜5件に絞り込む。
- 自院のGoogleアカウントで質問を投稿し、同じアカウントまたは院長・担当者アカウントで簡潔に回答する。
- 回答文は誇大・断定表現を避け、事実ベースで簡潔にまとめる。
質問文と回答文の作成に迷う場合は、たたき台の作成に生成AIを使う運用も実務では広がっています。具体的な使い方はChatGPT活用のGBP投稿作成術で紹介している時短の考え方が参考になります。また、投稿ネタが尽きて質問文の切り口に困る場合は、GBP投稿のネタ切れを防ぐ投稿テンプレートの型を質問文に転用すると作りやすくなります。
誤情報回答への対処の判断基準
誤った回答を見つけた際、いきなり削除申請に進む前に、次の基準で対応を切り分けると実務が回しやすくなります。
| 状況 | 優先すべき対応 | 補足 |
|---|---|---|
| 軽微な情報の古さ(旧診療時間など) | 事業者アカウントで訂正情報を追加投稿 | 削除申請より早く解決しやすい |
| 事実誤認だが悪意はない | 訂正投稿+必要に応じてコメントで補足 | 投稿者への直接指摘は避ける |
| 医療広告ガイドラインに抵触するおそれのある表現 | Googleへの削除申請を検討 | 承認まで時間がかかる前提で動く |
| スパム・関係のない書き込み | 削除申請 | 事業者側での編集はできない |
削除申請はGoogleの審査を経るため、承認されるまでに数日〜数週間を要することも珍しくありません。削除を待つ間に来院希望者が誤情報を目にする状態を避けるためにも、まずは正しい情報を追加投稿で補うことを基本線にする考え方が実務的です。
週次運用に組み込むチェックリスト
質問と回答は口コミほど通知が目立たないため、専用の確認タイミングを決めておかないと見落とされがちです。既存の週次MEO運用に、次のチェック項目を加える形が取り入れやすいでしょう。
- 新規質問が投稿されていないか(通知設定をオンにしておく)
- 未回答の質問が放置されていないか
- 既存の回答内容に古い情報が含まれていないか
- 誤情報回答があれば、訂正投稿または削除申請の要否を判断する
こうした確認作業を投稿更新や口コミ返信と同じ枠組みで回す運用の全体像は、GBP毎週やることリストの運用ルーティンでも触れているとおり、担当者と曜日を固定してしまうことが継続のコツです。
やりがちな失敗と回避策
- 失敗①:口コミ返信だけで満足してしまう:質問と回答は別画面のため、確認自体を忘れがちです。週次チェックリストに明示的に項目として入れることで防げます。
- 失敗②:誤情報を見つけても放置する:「そのうち直るだろう」と様子見しているうちに、検索経由の来院希望者が誤情報を目にし続けることになります。見つけた時点で訂正投稿を行う運用ルールを決めておくと迷いが減ります。
- 失敗③:先回り投稿の回答が宣伝色の強い表現になる:質問と回答は広告的な表現が浮きやすい場所でもあります。事実ベースの簡潔な回答にとどめる方が、読み手からの信頼を損ないにくいと考えられます。
質問と回答の放置は、GBP全体の情報の信頼性に関わる見落としやすいポイントです。自院の状況に合わせた優先順位を整理したい場合は無料ダウンロード資料も参考にしていただけますし、現在のGBP運用状況を客観的に確認したい場合は無料診断から自院の課題を洗い出すことも可能です。