年末年始や学会出張で休診にする際、Googleビジネスプロフィール(GBP)の特別営業時間を更新し忘れると、通常営業と表示されたまま患者が来院し、閉まっている院に対して低評価の口コミを残すおそれがあります。特別営業時間はGBPの管理画面から誰でも設定でき、休診が確定した時点で早めに登録し、年1回の「年間まとめ登録」をルーティン化することが実務上の対策になります。この記事では、設定手順と忘れないための運用の型を解説します。
まず押さえるべき要点は3つです。
- 特別営業時間は通常の営業時間とは別枠で登録が必要で、放置すると患者は通常営業と誤認する
- 「閉まっていた」という低評価口コミは事実として書かれるため反論しづらく、設定忘れの再発防止でしか信頼回復できない
- 年末年始・学会休診など毎年発生する休診日は、年1回まとめて登録する仕組みにしておくと担当者交代時も抜け漏れが減る
特別営業時間とは
特別営業時間とは、GBPに設定する通常の営業時間とは別に、特定の日付だけ異なる営業時間や休診を反映させる機能です。祝日や年末年始、臨時休診、学会出張による休診などが対象になります。通常営業時間を変更せずに、特定の日だけ「休業」または「時間変更」として上書き表示できる点が特徴です。
医療機関の場合、以下のような場面で使う機会が多くなります。
- 年末年始(12/29〜1/3など、院ごとに異なる)
- 学会・研修参加による臨時休診
- お盆休診
- 院内改装・機器メンテナンスによる臨時休診
- 訪問診療や往診対応日のための時間変更
これらを都度手動で入れる前提の機能なので、登録を忘れると「通常営業時間のまま」表示され続けてしまいます。GBPの基本設定や初期登録の流れ自体をまだ整理していない場合は、Googleビジネスプロフィールの使い方もあわせて確認しておくと全体像を把握しやすくなります。
設定を忘れると何が起きるか
特別営業時間の設定を忘れたまま休診日を迎えると、患者はGoogleマップやビジネスプロフィール上の「営業中」表示を見て来院します。実際には院が閉まっているため、患者はその場で無駄足を踏むことになり、不満がそのままGoogleの口コミに書き込まれる流れが典型的です。
この種の口コミは「休診日に営業中と表示されていて来院したが閉まっていた」という事実に基づく内容であることが多く、院側から「そのような事実はない」と反論することが難しい点が厄介です。低評価への返信で言い訳がましい説明をすると、かえって印象を悪化させるおそれがあります。返信の書き方に迷う場合は、低評価口コミへの返信の型や、返信時にやってはいけない対応をまとめた口コミ返信のNG集を参考にしてください。
再発防止の観点では、口コミへの個別対応以上に、次回以降の休診で同じミスを起こさない運用の仕組み化が優先度の高い対策になります。
特別営業時間の設定手順
設定はGBP管理画面(またはGoogleマップアプリのビジネスプロフィール編集)から行います。基本的な操作の流れは以下のとおりです。
| 手順 | 操作内容 | 補足 |
|---|---|---|
| 1 | GBP管理画面にログイン | オーナー確認が完了している必要がある |
| 2 | 「営業時間」メニューを開く | 通常の営業時間とは別タブに「特別営業時間」がある |
| 3 | 対象の日付を選択 | 休診日ごとに個別に追加する |
| 4 | 「終日休業」または「時間変更」を選択 | 半日診療や時間短縮の場合は変更後の時間を入力 |
| 5 | 保存して反映を確認 | Googleマップ上への反映まで数日かかる場合がある |
オーナー確認がまだの場合は特別営業時間を含む一部の編集操作が制限されることがあるため、未確認のまま放置している院は先にオーナー確認の方法を済ませておく必要があります。
反映まで数日のタイムラグが生じる可能性があるため、休診日の直前ではなく、日程が確定した時点で早めに登録しておくことが実務上の対策になります。
年間まとめ登録のやり方
毎年発生する休診(年末年始・お盆・学会シーズンなど)は、年が明けるたびに個別対応するのではなく、年1回「まとめて登録する日」を決めておくと抜け漏れを防ぎやすくなります。具体的には次のような進め方が実務的です。
- 診療カレンダーが確定するタイミング(多くの院で前年11〜12月頃)で、翌年の休診予定日を洗い出す
- 年末年始・祝日・学会参加予定・院内行事による休診をリスト化する
- GBP管理画面で該当日をまとめて「特別営業時間」に登録する
- 登録内容をスクリーンショットや一覧表で控えておき、翌年の登録作業の参考にする
- スタッフの入れ替わりに備え、登録手順を院内マニュアルとして残しておく
| 休診の種類 | 発生時期の目安 | 登録タイミングの目安 |
|---|---|---|
| 年末年始 | 12月末〜1月上旬 | 前年11〜12月中 |
| お盆休診 | 8月中旬 | 6〜7月中 |
| 学会休診 | 学会開催に合わせて随時 | 参加が決まり次第 |
| 院内行事・臨時休診 | 随時 | 判明次第 |
このような年間の運用ルーティンは、GBPの週次更新作業と合わせて設計すると定着しやすくなります。投稿更新や口コミ確認などの日々の運用フローについては、GBP毎週やることリストも参考になります。
忘れないための運用チェックリスト
特別営業時間の登録漏れは「誰が担当するか」が曖昧なまま放置されているケースで起きやすい傾向があります。以下の項目を院内で確認しておくと、担当者不在時のリスクを減らせます。
- 特別営業時間の登録担当者(受付リーダー・広報担当など)を明確に決めているか
- 休診予定が確定した時点で、担当者に伝える院内フローがあるか
- 登録後、実際にGoogleマップ上の表示を確認しているか
- ホームページや院内掲示の休診案内と、GBPの表示内容が一致しているか
- 担当者が異動・退職する際に、登録手順を引き継いでいるか
GBP全体の設定項目を一通り見直したい場合は、クリニックのGBP運用の基本で基本設定から口コミ対応までの全体像を確認しておくと、特別営業時間以外の抜け漏れにも気づきやすくなります。
よくある質問
Q. 特別営業時間はいつまでに登録すればよいですか。 A. 目安として休診日の1〜2週間前までの登録が望ましいとされています。Googleマップ上の反映には数日かかる場合があるため、直前の登録では患者の来院前に間に合わない可能性があります。年末年始や学会休診のように事前に日程が確定している休診は、判明した時点で早めに登録しておくと安心です。
Q. 特別営業時間を設定し忘れて低評価の口コミがついた場合、削除はできますか。 A. Googleの規約に反する内容でない限り、店舗都合による削除は基本的にできません。事実に基づく口コミであれば、まずは丁寧な返信で状況を説明し、再発防止策(今回のような特別営業時間の運用ルール化)を示す対応が現実的です。削除より信頼回復を優先する考え方が実務では一般的です。
Q. 毎年同じ休診日(元日など)は自動的に反映されますか。 A. 自動反映はされないため、年が変わるたびに手動での再登録が必要です。年末年始・お盆・学会休診など毎年発生する休診日は、前年の登録内容を控えておき、翌年も同じ時期に登録し直す運用にすると抜け漏れを防ぎやすくなります。
特別営業時間の登録漏れによる低評価口コミは、院内の運用ルールを整えることである程度防げます。年間の休診スケジュールと登録タイミングをまとめたチェックリストが欲しい方は資料ダウンロードからご確認いただけます。また、自院のGBP運用にどこから手をつけるべきか整理したい場合は無料診断もあわせてご活用ください。