車椅子の患者さんやベビーカー連れの保護者から「そちらは入口の段差はありますか」と来院前に電話で聞かれることが増えていないでしょうか。ホームページに書いていない、Googleの検索結果にも表示されていない情報は、確認の手間がかかる分だけ来院前に候補から外れる要因になります。この空白を埋めるのがGoogleビジネスプロフィール(GBP)の「属性」設定です。
まず押さえるべき要点は3つです。
- **属性は検索結果とプロフィール画面の両方に表示される、来院前の判断材料です。**基本情報や口コミとは別枠で、施設の受け入れ条件を示すタグとして機能します。
- **バリアフリー系の属性は特に来院意欲を左右しやすい項目です。**自社の運用支援先を対象にした実測(VIJ実測Vol.10)でも、アクセシビリティ関連の属性を埋めている院と空欄の院とで、プロフィール閲覧後の行動に違いが見える傾向がありました。
- **優先順位をつけて埋めれば十分です。**全項目を一度に埋める必要はなく、該当するものから着手すれば運用負担は大きくありません。
Googleビジネスプロフィールの「属性」とは
属性とは、GBPの基本情報欄に用意された、施設の受け入れ条件やサービス範囲を示すタグ機能です。営業時間や電話番号のような必須項目とは別に、「車椅子対応の入口があるか」「クレジットカードは使えるか」「オンライン予約に対応しているか」といった条件を院側が選択して追加します。
設定した属性は検索結果の一覧(ローカルパック)とプロフィール画面の両方に表示されます。患者側から見ると、複数の候補を比較する段階で「この院なら大丈夫そうだ」と判断する材料の一つになります。MEO運用の全体像はクリニックのGoogleビジネスプロフィール(MEO)運用の基本でも整理していますが、属性はその中でも見落とされがちな項目です。
バリアフリー属性が来院判断に効く理由
属性の中でも、車椅子対応・バリアフリートイレ・段差の有無といったアクセシビリティ系の項目は、他の属性より判断への影響が大きいと考えられます。理由は単純で、これらは「行ってみないと分からない」情報の代表格だからです。診療科の得意分野や口コミ評価は他の情報源からもある程度推測できますが、物理的なバリアフリー対応の有無は院独自の情報であり、GBP以外で確認する手段が限られています。
高齢の患者さんの家族が付き添いで来院を検討するケース、車椅子ユーザーが複数の候補院を比較するケース、ベビーカーでの来院を想定する保護者のケースでは、この項目が空欄のままだと「電話で確認する手間」か「候補から外す」かの二択になりやすい点に注意が必要です。設定自体は数分で完了する作業なので、優先度は高く見ておいて問題ありません。
設定すべき属性の一覧と優先順位
すべての属性を同時に埋めようとすると後回しになりがちです。以下の優先順位で着手すると運用負担を抑えられます。
| 優先度 | 属性カテゴリ | 具体例 | 設定の目安 |
|---|---|---|---|
| 高 | アクセシビリティ | 車椅子対応入口・バリアフリートイレ・エレベーターの有無 | 全診療科で確認必須 |
| 高 | 支払い方法 | クレジットカード・電子マネー・QRコード決済 | 自費診療がある院は必須 |
| 中 | 施設環境 | キッズスペース・授乳室・待合室の広さ | 小児科・産婦人科・皮膚科で優先 |
| 中 | サービス | オンライン予約対応・駐車場の有無 | 該当する場合のみ設定 |
| 低 | その他 | Wi-Fiあり・オンライン診療対応 | 任意で追加 |
自院の診療科によって「中」の優先度は入れ替わります。小児科であればキッズスペースの表示は来院判断に直結しやすく、逆に単科の内科であれば駐車場の有無の方が優先度が高くなるケースもあります。
属性設定の手順とチェックリスト
- **GBPのオーナーアカウントにログインする。**まだオーナー確認が済んでいない場合はGoogleビジネスプロフィールのオーナー確認方法と初期設定の手順を先に済ませてください。
- 「情報」メニューから属性一覧を開き、選択式の項目をすべて確認する。
- 実際の院内設備と照らし合わせながら、該当するものだけにチェックを入れる。曖昧な項目は院内で現地確認してから設定する。
- 支払い方法・アクセシビリティ・サービスの3カテゴリを優先し、残りは後日追加でよい。
- 改装や設備変更があった際は、属性を都度更新する運用ルールをスタッフ間で共有しておく。
属性設定だけでプロフィール全体の評価が決まるわけではありません。口コミ運用や投稿更新など他の要素と合わせた優先順位についてはMEOで順位が上がらない理由|評価される3要素と改善の優先順位を解説も参考になります。
やりがちな失敗と回避策
- **実態と異なる属性をつけたまま放置する。**改装でバリアフリー対応をやめた、支払い方法を変更したといった変化を反映し忘れると、来院時のトラブルにつながるおそれがあります。半年に一度は現地確認と照合する時間を設けておくと安心です。
- 限定解除が必要な表現と混同する。「〜に強い」「専門的に対応」といった訴求は属性欄ではなく通常のウェブサイト表現の話であり、医療広告ガイドライン上の限定解除要件が別途関わります。属性設定自体は施設情報の申告であり広告表現とは性質が異なる点を院内で区別しておくとよいでしょう。
- **担当者不在で更新が止まる。**属性設定は初回対応で終わりがちですが、設備変更のたびに見直す担当を決めておかないと情報が古いまま放置されます。
よくある質問
Q. 属性は何個くらい設定すればよいですか? A. 件数の目安より、自院に実際に該当する項目を漏れなく設定することが優先です。該当しない属性を無理に増やす必要はなく、まずはアクセシビリティと支払い方法から埋めるのが現実的です。
Q. バリアフリー属性を設定すると検索順位は上がりますか? A. 属性設定は順位を直接押し上げる要素というより、検索結果での選ばれやすさに影響する情報整備と捉えるのが実務的です。順位そのものへの影響は他の要因と合わせて見る必要があります。
Q. 属性の設定を間違えるとペナルティはありますか? A. 事実と異なる属性を設定した場合、Google側の審査で修正や表示停止の対象になるおそれがあります。院内の設備変更があった際は、都度見直す運用にしておくと安心です。
属性設定を含むMEOの初期対応を自院だけで判断するのが難しい場合は、まず無料の資料をダウンロードして基本情報の網羅チェックリストを確認してみてください。設定状況を客観的に把握したい場合は、無料診断で現状のプロフィール評価を確認することもできます。