薬機法

医療広告で「専門医」「認定医」は書ける?届出制度と学会名の注意点

「うちの院長は〇〇学会の専門医だから、サイトにしっかり書きたい」という相談は多いのですが、専門医・認定医の表記は書ける学会と書けない学会が制度上分かれています。書ける資格かどうかを確認せずに掲載すると、行政指導の対象になるおそれがあります。まず押さえるべき要点は3つです。

  1. 「専門医」表記は厚生労働省への届出制:届出済みの団体が認定した資格でなければ、原則として広告できません。
  2. 学会名は正式名称で正確に:略称や通称のみの表記は誤認を招くおそれがあります。
  3. ウェブサイトの限定解除でも資格表記の制限は変わらない:限定解除は広告可能事項を広げる仕組みで、専門医の届出要件自体は免除されません。

「専門医」「認定医」表記が問題になる理由

医療法上、医療機関が広告できる事項は限定列挙されており、医師の専門性に関する資格名もその一つです。ただし、どの学会の資格でも書けるわけではなく、厚生労働大臣に届け出た団体が認定する専門医資格に限り、広告可能事項として扱われます。届出のない学会の資格を「専門医」「認定医」として掲載すると、患者に誤った専門性の印象を与えるおそれがあるため、注意が必要です。院内でチェック体制を作りたい場合は、医療広告のチェック体制のつくり方も参考になります。

「広告可能な専門医」とは

広告可能な専門医とは、厚生労働大臣に届け出た学会・団体が認定し、一定の要件を満たした資格として厚生労働省のウェブサイトで公表されている専門医制度を指します。届出済みの団体には基本領域を扱う学会のほか、サブスペシャルティ領域を扱う学会も含まれます。自院の院長・スタッフが取得している資格がこの届出リストに含まれるかどうかは、掲載前に必ず確認しておきたいポイントです。医療広告規制の全体像を先に押さえたい場合は、医療広告ガイドラインの解説記事を確認すると理解しやすくなります。

学会名の表記で確認すべきポイント

学会名の書き方一つで、広告可能かどうかの印象が大きく変わります。以下のパターンを目安にチェックしてください。

表記パターン記載の可否目安注意点
届出済み学会の専門医(例:日本〇〇学会専門医)記載できる場合が多い学会の正式名称・資格名を省略せず表記する
届出されていない学会の認定医・指導医記載できないおそれ経歴・研修歴としての記載に置き換えを検討する
学会名を省略した「専門医」のみの表記誤認を招くおそれ学会名・取得年などを併記するのが望ましい
海外資格・自称の専門資格記載できないおそれが高い国内制度との対応関係を院内で確認する

複数の学会に所属し、いずれも「専門医」を名乗れる場合は、どの資格を前面に出すかで患者の受け取り方が変わるため、資格ごとに届出の有無を個別に確認する手順を踏むと安全です。

限定解除とウェブサイト表記の関係

自院ウェブサイトは、限定解除の4要件を満たすことで、通常の広告よりも詳しい情報を掲載できる仕組みがあります。ただし、この限定解除はあくまで広告可能事項の「範囲」を広げるものであり、専門医資格の届出要件そのものを免除するわけではありません。つまり、限定解除を満たしたサイトであっても、届出のない学会の資格を「専門医」として書くことは避けたほうがよいと考えられます。限定解除の要件を詳しく確認したい場合は、限定解除の4要件を解説した記事を参照してください。

やりがちな失敗と回避策

  • 失敗①:学会の会員資格を「専門医」と混同する。学会に所属しているだけの「会員」と、試験や審査を経て認定された「専門医」は別物です。会員歴を専門医と誤記しないよう、資格証や認定証で確認する手順を挟むと安心です。
  • 失敗②:更新期限が切れた資格をそのまま掲載し続ける。専門医資格には更新制度があるものが多く、失効している場合は表記を外す必要があります。院内で年1回程度、資格の有効期限を棚卸しする運用が望ましいと考えられます。
  • 失敗③:スタッフの資格まで一括で「専門医多数在籍」とまとめる。個別の資格が届出制度に該当するか確認せず、まとめて記載すると誤認のリスクが高まります。

自院サイトでのチェック手順

  1. 院長・スタッフが保有する資格を一覧化する。
  2. 各資格を認定した学会が厚生労働省の届出団体一覧に含まれるか確認する。
  3. 届出対象外の資格は「専門医」「認定医」の表現を使わず、経歴として記載する代替表現を検討する。
  4. サイト公開前に、表記のチェック担当者を決めて確認フローを通す。

よくある質問

Q. 開業医が学会の専門医資格を持っている場合、サイトに書いても良いですか? A. 資格を認定した学会が厚生労働省に届け出た団体に該当する場合は、記載できることが一般的です。届出の有無は厚労省の公表資料で確認できるため、記載前に学会名と資格名を照合しておくと安心です。

Q. 届出されていない学会の認定医資格は、まったく書けませんか? A. 資格名としての「認定医」表記は避け、研修歴や所属学会の記載に置き換えて対応しているケースが多いようです。表記方法に迷う場合は、院内のチェック体制や専門家への確認を通す運用が望ましいと考えられます。

Q. 限定解除の要件を満たせば、専門医表記の制限もなくなりますか? A. 限定解除は広告可能事項の範囲を広げる仕組みであり、専門医資格そのものの届出要件を免除するものではないと考えられています。ウェブサイトであっても、誤認を招く資格表記は避けるべきという整理が一般的です。


専門医・認定医の表記は、届出制度という前提を知らないまま掲載してしまうケースが少なくありません。自院サイトの表記を一度まとめてチェックしたい場合は、無料の資料ダウンロードから医療広告の確認ポイントを確認できます。また、現状のサイト表記にリスクがないか気になる方は、無料診断で自院ページを確認してみてください。

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