薬機法

医療広告のビフォーアフター掲載条件|限定解除と必須付記事項の書き方

症例写真やビフォーアフターは、医療広告ガイドライン上「広告可能事項の限定解除」を満たさない限り、原則として掲載できません。限定解除の4要件を満たした上で、術式・費用・治療期間・回数・主なリスクや副作用を写真の近くに明示することが前提になります。掲載を検討している院長・広報担当は、まず自院サイトが要件を満たしているかをチェックする必要があります。

まず押さえるべき要点は3つです。

  1. 限定解除の4要件を満たさない限り、ビフォーアフターは原則掲載不可です。自由診療である旨や問い合わせ先の明示など、要件を1つでも欠くと広告可能事項の限定違反になり得ます。
  2. 写真の近くに付記事項(術式・費用・期間・回数・リスク・副作用)を明示する必要があります。別ページへのリンクだけで済ませる運用は認識性の観点から避けたほうが無難です。
  3. 公開前チェックを1人の担当者任せにしないことが重要です。付記事項の抜け漏れは、広告代理店やデザイナーが薬機法の知識を持たないまま制作するケースで起こりやすい傾向があります。

限定解除とは|ビフォーアフターが原則NGな理由

医療広告ガイドラインでは、患者等が自ら求めて入手する情報(ウェブサイト等)であっても、広告可能事項は限定されているのが原則です。この限定を外せる特例が「広告可能事項の限定解除」です。ビフォーアフター写真や治療内容の詳細情報は、限定解除を満たさない広告では掲載できない事項に該当するため、多くのクリニックサイトでは限定解除の要件充足が前提条件になります。限定解除の考え方と4つの要件そのものについては、医療広告ガイドラインの限定解除とは|4要件と自院サイトのチェック手順で詳しく整理していますので、まだ自院サイトを確認していない場合は先にそちらでチェックすることをおすすめします。

ビフォーアフター掲載で追加確認すべき項目

限定解除の4要件を満たしていても、ビフォーアフター写真そのものには追加の留意点があります。以下の観点で自院サイトを確認してください。

確認項目判断基準(一般的な目安)
自由診療か保険診療の症例写真は掲載対象になりにくい。自由診療メニューに限定する
撮影条件の統一照明・角度・加工の有無を揃え、誤認を招く演出を避ける
加工・修正の有無レタッチで結果を誇張する編集は避け、加工の有無を明示する
付記事項の位置写真の直下または同一画面内に配置し、別ページ送りにしない
更新日の明記症例の掲載時期が分かるようにしておく

特に美容医療分野は規制の対象になりやすく、行政の目も厳しくなっている領域です。詳しい背景は美容医療広告の規制強化はなぜ進む?自院サイトで今すぐ見直す3つの箇所でも解説していますので、自由診療メニューを扱うクリニックは合わせて確認してください。

必須の付記事項|術式・費用・リスク・副作用の書き方

付記事項とは、限定解除で追加情報を掲載する際に、患者が正しく判断できるよう義務付けられている表示項目です。一般的に以下の5点を漏れなく記載する必要があるとされています。

  • 術式・治療の内容:使用する機器名や施術の概要
  • 標準的な費用:目安の価格帯(税込・税別の別も明記)
  • 治療期間・回数の目安:1回で完結するか、複数回通院が必要か
  • 主なリスク・副作用:一般的に想定される副作用や合併症
  • 治療内容についての問い合わせ先:電話番号やメールフォームなど

やりがちな失敗は、リスク・副作用の記載を「※詳細はお問い合わせください」の一文で済ませてしまうことです。これは付記事項の実質的な明示とは認められにくく、限定解除の要件を欠くと判断されるおそれがあります。写真1枚ごとに術式・費用・リスクをセットで表示するか、症例一覧の直下にまとめて明示する構成が安全です。

よくある違反パターンと回避チェックリスト

ビフォーアフターまわりでは、次のようなパターンが指摘対象になりやすいとされています。

  1. 保険診療の症例写真を、自由診療用の演出と合わせて掲載している
  2. 付記事項を別タブ・別ページのリンクだけで案内している
  3. リスク・副作用の記載が抽象的で、具体的な症状名がない
  4. Before/After間で撮影条件(照明・角度)が異なり、効果を誇張して見える
  5. 加工の有無を明示していない

実際にどのような指摘が行われているかは、医療広告ガイドライン違反事例に学ぶ|行政指導までの流れとよくある指摘パターンで類型別に紹介しています。自院の運用と照らし合わせて確認しておくと、公開前チェックの精度が上がります。

院内チェック体制の作り方(手順)

ビフォーアフターは制作会社やデザイナーが薬機法の知識を十分に持たないまま作成してしまうケースが少なくありません。院内で以下の手順を回すことをおすすめします。

  1. 掲載予定の症例写真と付記事項案をリストアップする
  2. 限定解除4要件・付記事項5項目のチェックリストに沿って担当者が確認する
  3. 院長または広告担当責任者が最終承認する
  4. 公開後も定期的に既存ページを見直す(撮影条件や費用改定の反映漏れがないか)

出稿前のチェックフローを体系化したい場合は、医療広告チェック体制のつくり方|出稿前フローと確認担当者の決め方も参考になります。担当者が1人しかいない小規模クリニックでも、承認者を分ける運用にしておくと抜け漏れを減らせます。

よくある質問

Q. ビフォーアフター写真はどんなクリニックでも掲載できますか? A. 限定解除の4要件を満たしたウェブサイト等であれば掲載できる可能性がありますが、自由診療の内容であることや、電話番号・問い合わせ先の明示など前提条件があります。要件を満たさないまま掲載すると、広告可能事項の限定に違反するおそれがあるため注意が必要です。

Q. 限定解除の4要件を満たせば、どんな写真でも自由に使えますか? A. 要件を満たしても、術式・費用・治療期間・回数・主なリスクや副作用の付記が写真の近くに明示されていない場合、限定解除が無効と判断されるおそれがあります。写真だけを目立たせ、付記事項を別ページや小さな文字で済ませる運用は避けたほうが安全です。

Q. 付記事項はどこに書けばよいですか、写真の近くですか? A. 写真ごと、または症例が並ぶセクションの直下など、閲覧者が写真と同時に認識できる位置に置くのが一般的な運用です。リンク先の別ページにまとめるだけでは「容易に認識できない」と判断されるおそれがあるとされています。


自院サイトの限定解除・付記事項が要件を満たしているか不安な場合は、無料の資料でチェックポイントを確認できます。また、現状のサイトを一度客観的に確認したい方は無料診断から具体的な改善余地を洗い出すことも可能です。

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