MEO

分院・複数店舗のMEO管理|権限設計と情報統一を進める実務の手順

分院を出すたびにGoogleビジネスプロフィール(GBP)の担当者が分散し、院ごとに診療時間や口コミ返信のクオリティがバラバラになっていませんか。分院・複数店舗のMEO管理で最初に整えるべきは、コンテンツの量よりも「誰が」「どの範囲を」管理するかという権限設計です。権限とルールが曖昧なまま院数だけが増えると、情報の不統一と対応漏れが同時に発生します。

まず押さえるべき要点は3つです。

  1. オーナー権限は「人」ではなく「役職」に紐づけて設計する(担当者の異動・退職に耐える形にする)
  2. 院ごとに変えてよい情報と、全院で統一すべき情報を最初に線引きする(表記ゆれをルールで防ぐ)
  3. 口コミ返信と投稿更新は、本部一括か院長分担かを院数に応じて決める(工数の見積もりを先にする)

分院展開でMEO管理が崩れる理由とは

分院展開時のMEO管理崩壊とは、各院の担当者(院長・受付・広報)がそれぞれ独自の判断でGBPを更新した結果、法人としての情報の一貫性が失われている状態です。1院だけを運営していた時期は院長や事務長が自分でGoogleビジネスプロフィールを触っていても問題は表面化しません。しかし院数が増えると、新規開院のたびに新しい担当者がGBPアカウントを作り、旧院の運用ルールが引き継がれないまま独自運用が始まるケースが多く見られます。

結果として起きやすいのが、①院によって診療時間の表記形式が違う、②休診日の更新が一部の院だけ止まっている、③口コミ返信の文体・丁寧さに院差がある、といった状態です。これらは検索結果の見え方だけでなく、患者が複数院を比較検討する際の信頼感にも影響するおそれがあります。まずはGoogleビジネスプロフィール運用の基本を全院共通の土台として押さえておくと、分院間のズレを議論する際の共通言語になります。詳しくはGBP運用の基本を解説した記事も参考にしてください。

オーナー権限をどう設計するか|本部一括か院ごとか

権限設計で最初に判断すべきは、GBPのオーナー権限を本部に集約するか、院ごとに持たせるかです。判断基準として、以下の3パターンを比較する形が実務では扱いやすくなります。

権限モデルメリットデメリット向いている法人
本部が全院オーナー、院長は管理者情報統一・退職時の引き継ぎがしやすい本部の作業負担が集中する3院以上、統一感を重視する法人
院長が各院のオーナー現場の裁量で即座に更新できる院長交代時にアカウントが宙に浮きやすい各院の独立性が高いグループ
本部オーナー+院長に管理者権限を委譲統一と現場対応のバランスが取れる権限管理のルール整備が必要5院前後で拡大予定がある法人

分院数が増える見込みがある法人ほど、初期段階から「本部オーナー+院長管理者」の形にしておくと、後からの権限移行コストを抑えられる傾向があります。オーナー確認自体でつまずくケースも少なくないため、オーナー確認の具体的な手順を事前に確認しておくと開院準備がスムーズです。

基本情報を院間で統一する運用フロー

情報統一の実務は、いきなり全院のプロフィールを直しに行くのではなく、まず「統一ルールを1つ決める」ところから始めます。手順の目安は次のとおりです。

  1. 全院のGBP登録情報(診療時間・電話番号・住所表記・カテゴリ)を1枚のスプレッドシートに書き出す
  2. 表記ルール(例:休診日は「不定休」ではなく曜日で明記、電話番号はハイフンありで統一)を本部で確定する
  3. 院ごとに固有で残す情報(駐車場、バリアフリー対応など)を切り分ける
  4. 修正の優先順位を「検索結果に直接影響する項目」から順に決めて反映する
  5. 半年に1回程度、全院の登録情報を棚卸しする運用を定例化する

この棚卸しを「開院時の一度きり」で終わらせてしまうと、半年〜1年で表記が再びばらつき始めるのが実務上よくあるパターンです。定例チェックの担当を誰か1人に固定せず、役職に紐づけておくことで、担当者交代があっても運用が止まりにくくなります。

口コミ返信と投稿更新、誰が・どの頻度で担当するか

口コミ返信と投稿更新は、情報の正確性よりも「対応の速さ・継続性」が問われる業務です。院数が増えるとこの部分の工数が読みにくくなるため、あらかじめ担当と頻度の目安を決めておくと運用が安定します。

業務目安の頻度担当の置き方(一般的な例)
口コミへの返信投稿から1週間以内低評価は本部確認を経由、通常は院長・受付が対応
投稿(お知らせ・診療時間変更)月1〜2回本部が全院分をまとめて作成・配信
基本情報の棚卸し半年に1回本部の広報担当が全院分を一括確認
オーナー・管理者権限の見直し人事異動のタイミング本部が権限リストを都度更新

低評価の口コミほど返信の文面や守秘義務への配慮が難しく、院長が個人の判断で対応すると法人としてのトーンがぶれやすい領域です。低評価口コミへの返信例文を院内のひな形として共有しておくと、院ごとの対応差を減らせます。

分院展開時によくある失敗と回避策

分院拡大の現場でよく見る失敗は、次の3パターンです。

  • 開院ラッシュ時にGBP作成が後回しになる:内覧会や求人対応に追われ、開院直前にGBPを作成した結果、オーナー確認の郵送物到着待ちで開院後も情報が出ない期間が発生する。回避策として、開院日の1〜2ヶ月前にはGBP作成とオーナー確認を着手する。
  • 退職した担当者がオーナー権限を持ったままになる:本部にアカウント情報が共有されておらず、退職後に情報更新も口コミ返信もできなくなる。回避策として、権限を「役職」に紐づけ、退職・異動時の権限移譲を人事フローに組み込む。
  • 院ごとにMEO対応の温度差が生まれる:本部主導で始めた運用が、担当者不在の院だけ放置される。回避策として、専任のMEO担当を置けない場合でも、院内体制づくりの考え方を参考に、誰かが必ず一次対応する役割分担を明文化しておく。

よくある質問

Q. 分院のGoogleビジネスプロフィールは誰がオーナーになるべきですか。 A. 本部(法人代表または広報責任者)がオーナー権限を持ち、各院長には管理者権限を付与する形が運用しやすい傾向があります。院長個人がオーナーのまま異動・退職すると引き継ぎが滞るおそれがあるため、権限の帰属先は「人」ではなく「役職・部署」で設計しておくことをおすすめします。

Q. 院ごとに診療時間や電話番号の表記がバラバラです。どこから直せばいいですか。 A. まず全院の登録情報を一覧化し、正しい表記のルール(休診日の書き方、電話番号の形式など)を1つ決めてから、各院のプロフィールを順番に修正していく方法が一般的です。表記統一と並行して、院独自の情報(駐車場の有無など)は残す設計にすると現場の反発が起きにくくなります。

Q. 分院が増えるたびにMEO対策の工数も増えて対応しきれません。外部委託すべきでしょうか。 A. 院数が5〜10を超えるあたりから、本部の担当者だけで全院の口コミ返信・投稿更新をカバーするのは難しくなる傾向があります。全店舗の運用を外注するか、投稿更新のみ委託して口コミ返信は院長に残すなど、業務を切り分けて一部委託する選択肢も検討に値します。


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