Google広告に出稿しようとしたら「ヘルスケアと医薬品」ポリシー違反で否認され、理由欄を読んでも何を直せばいいか分からない――クリニックや薬局の広報担当者からよく聞く相談です。結論から言うと、医療分野の広告審査は薬機法・医療広告ガイドラインとGoogle独自のヘルスケアポリシーという2つの基準を同時にクリアする必要があり、否認の大半は広告文かLP(遷移先ページ)のどちらかに具体的な修正ポイントがあります。まず押さえるべき要点は3つです。
- 否認理由は「表現」と「遷移先」のどちらに起因するかを切り分ける:広告文の一言だけが原因のこともあれば、LP全体の記載が問題になっていることもあります。
- 医療広告ガイドラインの範囲内でも、Google基準で追加否認されることがある:二重基準であることを前提に修正計画を立てます。
- 再審査は「直して出し直す」を繰り返す前提の実務:一発で通すことよりも、否認理由から学んで修正サイクルを回す体制が重要です。
Googleヘルスケアポリシーとは
Googleヘルスケアポリシーとは、医療機関・医薬品・サプリメントなど健康に関する広告主に対して、Googleが独自に定めている審査基準のことです。医療広告ガイドラインが「日本国内の医療機関が広告できる事項」を定める法規制であるのに対し、ヘルスケアポリシーは「Googleというプラットフォーム上でどこまで表現・訴求してよいか」を定めた利用規約に近い位置づけです。両者は重なる部分も多いものの、完全に一致するわけではありません。医療広告ガイドライン上は問題ない表現でも、Google側の基準でリスクが高いと判断されれば否認されることがあります。この二重構造を理解しておかないと、「ガイドラインは守っているのになぜ落ちるのか」という混乱が続きます。
審査落ちの主な原因と対応の目安
現場でよく見る否認パターンを整理すると、次のようになります。
| 否認理由の分類 | 具体例 | 対応の方向性 |
|---|---|---|
| 誇大・断定表現 | 「必ず改善」「完治」「No.1」等の広告文・LP表現 | ヘッジ表現への言い換え、最上級表現の削除 |
| 個人情報・症状の特定を促す訴求 | 特定疾患名を強く訴求しすぎる見出し | 診療科目の範囲での訴求に修正 |
| ビフォーアフター・体験談 | 患者の声・症例写真の掲載 | 該当コンテンツをLPから削除 |
| リンク先の情報不足 | 医療機関名・所在地・連絡先が確認できない | 特定商取引法的表記に準じた基本情報を明記 |
| 広告アカウントの確認未了 | ヘルスケア関連の広告主確認が未完了 | Google広告アカウントの確認手続きを先に完了させる |
表現に関する否認が最も多く、次いでLP側の情報不足が目立ちます。NG表現の言い換えパターンを一通り把握しておきたい場合は、医療広告でやりがちなNG表現と言い換え方が実務での修正の参考になります。
審査落ち後に確認する実務フロー
否認通知を受け取ったら、次の順番で確認するのが実務上効率的です。
- 否認通知に記載されたポリシー名を確認する:「ヘルスケアと医薬品」「誤解を招くコンテンツ」など、通知に具体的なポリシー分類が記載されています。
- 広告文とLPの両方を該当ポリシーの観点で見直す:広告文だけを直してLPを放置すると、再審査でも同じ理由で落ちることがあります。
- 医療広告ガイドラインの限定解除要件を満たしているか確認する:自由診療メニューや治療内容を具体的に記載したい場合、限定解除の4要件を満たしていないと、そもそも広告可能事項の範囲を超えてしまいます。
- 修正内容を記録してから再審査に出す:何をどう直したかを残しておくと、次回以降の否認パターンの学習材料になります。
- 繰り返し否認される場合は媒体変更も検討する:Google広告での掲載が難しい訴求内容であれば、MEOや自然検索など広告以外の集患施策に比重を移す判断もあり得ます。
限定解除の考え方を確認したい場合は医療広告ガイドラインの限定解除とはが要件の整理に役立ちます。またリスティング広告そのものを初めて出稿する段階であれば、はじめてのクリニックのリスティング広告で予算設計から見直すのも一案です。
LP・広告文で特に見直すべきポイント
審査落ちを繰り返す医療機関のLPには、共通する傾向があります。
- 診療内容の説明が誇大表現になっていないか:「劇的に改善」「絶対に痛くない」といった最上級・断定表現は削除します。
- 自由診療の費用や治療内容を書く場合、限定解除4要件を満たしているか:問い合わせ先の明示、治療のリスク・副作用の記載などが要件に含まれます。
- 体験談・症例写真が残っていないか:過去に別目的で作成したページを流用すると、体験談が残っていることがあります。
- 医療機関の基本情報(名称・所在地・診療科目・連絡先)が明確か:LPが単独ページで基本情報にたどり着けない構成だと、否認理由になることがあります。
チェックリスト形式で確認したい場合は、否認理由の分類表と照らし合わせながら1項目ずつ潰していくやり方が現実的です。
何度否認されても通らない場合の判断
同じ広告文・LPで3回以上否認が続く場合は、表現の微修正では解決しない構造的な問題を抱えていることがあります。この段階では、Google広告そのものの継続可否を含めて検討する時期です。判断軸としては、①その診療科目・メニューがGoogle広告での訴求に馴染むか、②修正コストと見込める集患効果が見合っているか、③MEOや自然検索など他チャネルで代替できるか、の3点を確認します。広告運用全体の継続・停止判断についてはクリニック広告が効いていない時のやめ時判断で整理した基準も参考になります。
よくある質問
Q. Googleヘルスケアポリシーの審査にはどのくらい時間がかかりますか? A. 通常審査は数営業日以内に完了することが多いとされていますが、医療関連の広告主確認やヘルスケアポリシーの追加審査が入る場合は1〜2週間程度かかることもあります。急ぎの出稿では審査期間を見込んだスケジュールを組むことをおすすめします。
Q. 審査に落ちた広告文をそのまま再送信しても通りますか? A. 指摘された表現や遷移先ページを修正せずに再送信すると、同じ理由で再度否認される可能性が高いです。否認通知に記載されたポリシー名を確認し、広告文・LPの該当箇所を具体的に修正してから再審査に出す流れが実務上は基本になります。
Q. 限定解除の要件を満たせばどんな表現でも掲載できますか? A. 限定解除は医療広告ガイドライン上の一部制限を外す仕組みであり、誇大表現や体験談まで自由に書けるようになるわけではありません。Google側のヘルスケアポリシーは別基準のため、限定解除の要件を満たしても審査で否認されるケースはあります。
Google広告の審査対応は、否認理由を1つずつ潰していく地道な作業になりがちです。自院の広告文・LPが医療広告ガイドラインとGoogleヘルスケアポリシーの両方に照らして問題ないか整理したい場合は、チェックリストを資料をダウンロードして確認いただくか、無料診断を試すで現状の広告・LPの状態を一度点検してみてください。